仕事の話

貴社の評価制度は機能していますか?〜赤提灯の居酒屋での出来事〜

先日、赤提灯の居酒屋さん(写真のような感じ⇨)を見つけて、吸い込まれてしまった時の話です。

(きちんと仕事の話です。)

 

狭い店内には、スーツ姿の若い客が2人。会社の話をしていたようで。

 

若い客A君「先月の給与で、なんかよくわからないけど”ボーナス的なもの”が出たんだよね。」

若い客B君「いいなぁ…。俺なんてめっちゃ頑張ってんのに低い評価をつけられて、ボーナス少なかったんだ…。」

 

仕事柄、「んっ?」と思いました。

まず、A君よ。よくわからない”ボーナス的なもの”はきっと賃金規定に書いてあると思うよ。

そして、B君よ。会社の評価基準を理解しているかい?

 

そんなことを思っていたら、

A君「聞こえてたと思いますけど、おじさんはどう思います?」

 

巻き込まれました。

 

若者たちが悪いわけじゃないかも…

話を聞いてみると、

A君「賃金規定って何ですか?」

B君「会社の評価基準は知ってるんです。でも、何をしたらいいかわからないんです。」

とのこと。

A君には、”賃金規定”について説明し「上司に言って見せてもらうといいよ。あと、わからないことは聞いた方がいいよ。」と回答。

 

問題はB君。

機能していない立派な評価制度

B君の話をもっと詳しく聞くと、4月に目標設定、9月と翌年3月に評価面談があるらしい。

評価項目の中には、数値目標(売上目標)や技術面(食品を扱っている会社らしいので「商品に触れる前には必ず手洗いをしているか?」といったようなもの)の評価項目が設定されているとのこと。

この部分はあって当然かな、と思います。

 

それに加えて、会社が考えた評価項目の中から一人一人が達成すべき項目を指定されるそうで、その指定される項目数が10〜20個くらいあるらしいのです…。

 

問題かな、と思ったのはその項目の内容。(一例)

「いつも明るく元気に働いている」

「明るい職場づくりに貢献している」

「上司に言われたことには大きな声で”はい”と返事をしている」

 

どうでしょう?みなさんの会社にも似たような評価項目はありませんか?

社員に伝わらない評価制度は無いのと同じ

では、質問です。

”明るい職場”ってなんですか?

 

毎日お祭りのようにワーキャーしている職場でしょうか?

仕事そっちのけで、昨日見たドラマの内容で盛り上がれる職場でしょうか?

親父ギャグでクスッと笑える程度の明るさがある職場でしょうか?

 

おそらく、社員が100人いたら100通りの”明るい職場”の定義が出てくると思います。

中には似通ったものもあるでしょうし、時には相反するものも出てくると思います。

 

これを踏まえて、「”明るい職場”づくりに貢献した他人を高く評価します。」と言ったらどうなるでしょう?

 

同様に「明るく元気に働く」の”明るく”とは、”元気に”とはなんでしょう?

ちょっと意地悪ですけど、”大きな声で”とは何dbでしょう?

そもそも、上司の言うことすべてに対して”はい”で本当に良いのでしょうか?

 

もし、この質問に対して回答できない方が評価制度を作ってるとしたら、会社が社員に対して求めていることが伝わっていない可能性が高いと思います。

 

会社が求めていることがわかっていないから、B君の発言「俺なんてめっちゃ頑張ってんのに低い評価をつけられて…。」が出てくるのでは無いかと思います。

社員が頑張るベクトルと「会社が求めているベクトル」とをきちんと合致させてあげられない評価制度は、機能しない可能性が高いのではないでしょうか。

機能しない評価制度はなぜ生まれるのか?

2点あると思います。

①曖昧すぎる言葉

ここまで書いてきた通り、言葉が曖昧。

そして、B君の話によるとその曖昧な言葉で構成されている項目が20〜30個も与えられるのだそうです。

百者百様の”明るい職場”は、おそらく実現しないでしょう。

もっと具体的に決めるべきなのに、案外そこに時間を割く経営者は少ないのでは無いでしょうか?

②やらされている感

では、経営者側が具体的に”明るい職場”を定義して評価基準に加えれば良いでしょうか?

おそらく、機能しないと思います。

それは”やらされている感”があるから。

小さい頃に親から「勉強しなさい」と言われれば言われるほど勉強したくなくなるあの感じ。

「〇〇な職場が”明るい職場”だから、そういう職場を作りなさい」と言われれば言われるほど、やりたくなくなっていくのでは無いでしょうか?

 

では、どうしたらいいでしょうか?

社員と一緒に評価制度を作るという考え方

評価制度って会社がつくるもの。そう思っていませんか?

もちろん、上でも書きましたが、技術面(食品を扱う場での手洗いだったり、介護等なら基本技術ができているかの確認だったり)は会社が決めて良いと思います。

 

ご提案したいのは、それ以外の部分を社員と一緒に作るという方法です。

具体的に言うと、4月の評価面談の際に以下のことをハッキリさせます。

①会社が社員に求めていること

②社員が”職場のみんなで”(例えば部署で、チームで)大切にしたいこと

 

その上で、①と②を達成するために「具体的にどのような行動をとるのか?」をみんなで決めていくのです。

この時、方法として

①を達成するための具体的な行動は経営者側の人も一緒に決める。

②を達成するための具体的な行動は社員だけで決める。

これにより、会社側の思いである①がより具体的に社員に伝わりますし、自分たちで決めた目標②は”やらされている感”のない目標として積極的に取り組んでもらえる効果が生まれるでしょう。

 

この方法の唯一のデメリットは、時間がかかることだと思います。

 

会社が一方的に作った評価を使えば、とてもスピーディーに評価ができますから。

でもその方法では、B君のような社員は少なからず発生すると思います。

力はある、でも頑張るベクトルを間違っている。

そんな社員さんがいる状況を、もったいないと思いませんか?

そんな状態の社員が、1年間働くのです。その挙句に、低い評価をされて不貞腐れるのです。

最悪、退職してしまうかもしれません。

高いお金をかけて採用した社員が、高いお金をかけて作った評価制度が原因で辞めてしまうのかもしれないのです。

社員と一緒に考える評価制度を作りませんか?

TAMA社労士事務所では、社員さんと一緒に作る評価制度の作成支援を行なっています。

社員さんにきちんと浸透する、シンプルでわかりやすい評価制度を作ることで「正当に評価されない」「努力の仕方がわからない」といった不満解消にもつながるかもしれません。

 

評価制度の見直しに活用できる助成金等も合わせてご提案させていただきます。

初回相談は無料です。お気軽にお声がけください。

TAMA社労士事務所 TEL:050−3586−0310  

 

後日談

後日、B君から電話がきました。「会社、辞めました。また飲みましょう。」と。

もっと自分を正当に評価してくれる会社を求めて就活中なのだそうです。

 

こういう出会いがあるから、赤提灯の狭い居酒屋はやめられないんですよね。